冠婚葬祭や予期せぬケガで急な出費が必要になった時に、あらかじめお金を準備できない場面があります。
そんな急な出費でも、カードローンを契約していればすぐにお金を借入することが可能で便利です。
しかし、何も知らずにお金を借りて大丈夫か不安になる人や抵抗がある人もいます。
そこで、カードローンの役立つ知識を簡単に解説し、よりよく利用しやすいカードローンの仕組みを紹介していきます。
カードローンとは?個人向け無担保融資の仕組み
金融機関がお金を貸すローン商品はいくつかありますが、カードローンの特徴は「利用目的が自由」「無担保・無保証人」「借入・返済が繰り返し利用可能」など多くのメリットがあります。
銀行融資などの法人向けではないので、個人が借りやすく申込当日に借り入れも可能な消費者金融などもあり、利便性は他のローン商品と比較すると高いです。
しかし、利用目的が自由で即日融資も可能なカードローンなので、同じローン商品のフリーローンや目的ローンより金利は比較的高く設定されている点はデメリットです。
- 限度額内であれば繰り返し利用が可能
- 利用目的(資金使途)が自由
- 無担保・無保証人
- 融資開始までの期間が短い
- 金利が高い
- 完済できるまでが難しい
リストに挙げた6つのメリット・デメリットについて、詳しく解説していきます。
契約した限度額内であれば借入・返済を繰り返し利用可能
カードローンは、契約した利用可能な限度額内は借り入れと返済を自由に繰り返し利用できるので、借り入れごとに審査にを受ける必要がありません。
他の目的ローンやフリーローンは、利用目的に応じた借入1回に対して審査を行うようになっています。
種類 | 本審査 | 借入・返済 |
---|---|---|
カードローン | 初回限り行う | 繰り返し利用可能 |
目的ローンやフリーローン | 必要な借入に対して毎回行う | 借入後、返済のみ |
カードローンとフリーローンの最大の違いが繰り返し利用できる点なので、すぐにお金が必要になるケースが多い人はカードローンを利用した方が便利です。
借入する時は、わざわざカードローン会社のATMを利用せずに、セブンイレブンATMやローソン銀行ATMのコンビニ提携ATMなどで借入が可能で、口座への振込融資もできます。
返済する時も、目的ローンなどと同様に口座から引き落としもできますが、銀行口座を利用しないATM返済やネット返済も可能です。
毎月1回の返済指定日までに、利用者の都合の良い日に返済もできるので、コンビニATMが近くにある人は非常に便利に利用することが可能です。
利用目的(資金使途)が自由
カードローンは利用目的が原則自由なので、フリーローンや目的ローンなどと違って利用明細書やパンフレットなどの提出が必要ありません。
カードローン | 資金使途 |
---|---|
プロミス | 生計費に限る(個人事業主は生計費および事業費に限る) |
アコム | 自由 |
アイフル | 自由 |
SMBCモビット | 自由 |
レイクALSA | 自由 |
みずほ銀行 | 自由(事業性資金は利用不可) |
三井住友銀行 | |
三菱UFJ銀行 | |
住信SBIネット銀行 | |
auじぶん銀行 |
カードローンの中でも消費者金融の資金使途は原則自由で、生活費以外の事業性資金にも利用が認められるケースがほとんどです。
銀行カードローンも原則自由の資金使途ですが、事業性資金向けの銀行融資やビジネスローンもあり、カードローンでは事業性資金への融資は行っていません。
使い道が絞られていないカードローンは、いつでも利用しやすいローン商品だと言えます。
無担保・無保証人で利用できる
住宅ローンやマイカーローンなど数百万~数千万円の融資を受ける目的ローンの場合の多くは、担保や保証人を事前に用意しなければ契約出来ません。
担保や保証人を準備するには書類の準備などに時間がかかり、周囲にもバレる心配があります。そもそも担保を準備できない人もいます。
ですが、申込者の信用で融資を行うカードローンは担保なし・保証人なしで申し込めるので、事前に準備する必要もなく手軽です。
カードローンが「個人向け無担保融資」と言われる
補足として、銀行カードローンも無担保・無保証人で申し込めますが、「保証会社の保証を受けられる人」という貸付条件があります。
保証人のように万が一の時に保証してくれる会社ですが、申込者が準備する必要はありません。保証会社の審査を自動的に受けるだけで大丈夫です。
融資開始までの期間が短く即日融資にも対応している
カードローンの多くは2日~3日の短期間のうちに融資が受けられる場合がほとんどで、消費者金融のカードローンは即日融資で借入も可能になっています。
ローンの種類 | 融資までの時間 |
---|---|
消費者金融 | 最短即日融資 |
銀行カードローン | 最短2~3営業日 |
目的ローンやフリーローン | 1週間~1ヶ月前後 |
住宅ローンなどの高額な融資は1ヶ月以上、マイカーローンや教育ローンなどの比較的少ない融資でも1週間前後の審査時間が必要です。
一方のカードローンは、最低限必要な書類が本人確認書類の1枚だけで大丈夫な場合がほとんどで、審査項目が目的ローンよりも少なく融資開始まで時間がかかりません。
申込当日に借り入れできる即日融資が希望であれば、消費者金融を午前中までに申し込めば今日中に借入することもできます。
カードローンNETの「即日融資できるカードローンは消費者金融~最短で借入するおすすめな方法とは?」の記事一覧です。
カードローンは金利が高く設定している点がデメリット
ローンを利用してお金を借りる場合、金利が必ず設定されているので利息が発生します。
カードローンはその金利が比較的高くなっており、利息が多く発生してしまうデメリットがあります。
種類 | 金利 |
---|---|
消費者金融 | 年3.0%~18.0% |
銀行カードローン | 年2.0%~15.0% |
フリーローン | 年6.0%前後 |
住宅ローン(目的ローン) | 年0.6%~1.5%前後 |
一定の使用目的が限られるフリーローンや目的以外に利用できない高額な融資になる目的ローンは、かなり金利が低く抑えられているのが、上の表で分かります。
しかし、カードローンの金利の決め方は、利息制限法や出資法の上限金利に則って決められているので法定金利を超えることはありません。
カードローンは、担保なしでいつでも繰り返し借入が可能で利用目的も限りなく広いローン商品です。ですので、貸し倒れリスクが高くなりやすいので、他のローン商品よりも金利を高くする必要があります。
借り入れ癖が付きやすく返済できなくなる可能性もある
フリーローンや目的ローンのように一度借り入れしたら返済のみするローンと違って、カードローンは繰り返し利用できるメリットが逆にデメリットになります。
一度借り入れした返済途中でも、新たなお金が必要になれば再度借り入れが可能なので、当初の返済計画よりも借入額が多くなる場合があります。
借入と返済の繰り返し利用をしていると、いつまで経っても完済できず、返済が困難になるケースもあります。
カードローンは利便性が高い反面、返済計画が崩れてしまう面もあるので、まずは一度借り入れしたお金を返済してから次の借り入れをするように心がけましょう。
カードローンが安心して利用できる機能が整えられている
「カードローンの利用は危険」と書かれているサイトなどもありますが、間違った利用方法をしなければカードローンは非常に安全なローン商品です。
- 過剰貸付を抑制する「総量規制」がある
- 上限金利を定めている「利息制限法」と「出資法」がある
- 取り立て行為を厳しく規制する法律がある
年収に応じた利用限度額があらかじめ決められる
カードローンで無尽蔵にお金を借り入れできればうれしいですが、必ず返済しなければならないので大変危険です。
過剰貸付を抑えるために貸金業法では、年収の3分の1までしか貸付できない「総量規制」を定めているので、利用限度額が返済能力を超えないようになっています。
貸金業法は貸金業者である消費者金融や信販会社に適用されるので、銀行カードローンには総量規制は適用されません。
銀行法を厳守する銀行カードローンでも、総量規制ほどに利用限度額を自主規制によって抑えているので、過剰貸付は起こらないようになっています。
さらに、カードローンの初回限度額の決め方は総量規制ギリギリまで契約することは稀で、年収の4分の1や5分の1に抑えられるのが一般的なので安心できます。
金利は「利息制限法」「出資法」で上限が決められている
カードローンは闇雲に金利を決めているわけではなく、利息制限法と出資法で定められた上限の金利で決めています。
法律 | 上限金利 |
---|---|
利息制限法 |
|
出資法 | 限度額に関わらず年20% |
出資法の上限金利を超える契約は刑事罰の対象になるので、年20.0%を超える金利を適用しているカードローンはありません。
利用限度額によって上限金利が変わる利息制限法は、上限金利を超えて発生する利息は無効になるので厳守されています。
初めは年18.0%で契約していたカードローンでも、利用限度額が100万円以上に増額されれば金利も年15.0%以下に下げられます。
もし上限金利を守られていない貸金業者は、違法業者である闇金と一目で分かるようになっています。
厳しい取り立て行為をされる心配はない
カードローンでお金を借りるだけで「取り立て行為」をされるのか心配な人もいますが、取り立て行為には法律によって厳しき規制されているので安心です。
正当な理由がなければ取り立て自体行えないので、借り入れしただけで取り立てされることはありません。
取り立て行為を行う場合でも「夜間や早朝の電話や訪問」「債務者以外への取り立て行為」「第三者へ借り入れをバラす行為」など、やってはいけない行為は事細かく決められています。
貸金業登録している正規の貸金業者であれば安心して利用できます。
あと、カードローン契約後に利用を促す勧誘がありますが、はっきりと断ればしつこい勧誘が続くことはありませんので安心です。
カードローンを利用するならどれを選べば良い?
カードローンを初めて利用する人は、どのカードローンを選べば良いのか迷ってしまうほど数が多いです。
カードローンと一口に言っても、銀行や消費者金融、信販系の3種類あり、カードローンと違うクレジットカードのキャッシング機能でもお金を借り入れすることが可能です。
それぞれの特徴を知って、自分に合うカードローンを選ぶのが重要になります。
カードローンとキャッシングの違いを比較
カードローンとキャッシングの違いと聞かれると「お金を借りることに関しては違いがない」という答えになります。
カードローンのことをキャッシングと言う場合もありますが、最近はクレジットカードに付帯しているキャッシング機能のことを指す場合が多く、キャッシング機能を利用してお金を借ります。
しかし、カードローンとキャッシングの中身は若干だけ性能が異なる点があり、次の表にまとめました。
比較項目 | カードローン | キャッシング |
---|---|---|
主な利用限度額 | 10万円~1,000万円 | 10万円~100万円 |
金利 | 年2.0%~18.0% | 年15.0%~18.0% |
返済方式 | リボルビング方式(リボ払い) |
|
融資開始までの時間 | 即日融資~1週間 |
|
年会費 | 0円 | 0円~1万円 |
カードローンとキャッシングの大きな違いは「利用限度額の大きさ」と「金利の範囲」です。
カードローンは利用限度額が大きく、大きな限度額を契約すれば金利も下がります。キャッシングは利用限度額が小さいので金利の範囲もそれほど広くありません。
年18.0%に固定されているクレジットカードのキャッシングもあり、どれだけ繰り返しりようしても金利がさがることはありません。
カードローンは契約するだけであれば年会費は発生しないので、万が一の時の備えとして準備することが可能です。
しかし、クレジットカードは年会費が発生するカードもあり、キャッシング機能のために契約するのはおすすめしません。
緊急性など急いで借入したい人や利息やねん年会費などのコストを抑えたい人は、カードローンを選んだ方がお得だと言えます。
消費者金融と銀行のどちらのカードローンがおすすめ?選ぶ基準を解説
消費者金融と銀行カードローンはどちらも同じカードローンなので、年会費は発生しなくて返済方式に違うもありません。
しかし、利用限度額や金利、審査の早さの3つに関しては大きな違いがあり、利用者の目的によって選ぶポイントが違います。
比較項目 | 消費者金融 | 銀行カードローン |
---|---|---|
利用限度額(最大) | 500万円~800万円 | 500万円~1,000万円 |
金利 | 年3.0%~18.0% | 年2.0%~15.0% |
審査時間 | 最短30分 | 最短翌営業日~1週間 |
消費者金融でも十分な利用限度額が設定されていますが、銀行カードローンは消費者金融よりも限度額に余裕があります。
銀行カードローンは金利を低く抑えている分、審査基準が高く厳しい審査が行われ、審査時間も長くかかります。
一方の消費者金融は即日審査が可能で、早い借り入れに向いているカードローンだと言えます。
短期融資なら消費者金融、長期融資なら銀行カードローンで利息を抑えられる
金利が低い銀行カードローンを選べば利息を抑えやすいですが、消費者金融の無利息期間を利用すると同じように利息が抑えられます。
消費者金融の無利息期間は30日ほどの短期間のサービスなので、約半年ほどで完済する返済計画であれば、銀行カードローンより消費者金融の方が利息が少なくなりやいです。
1年以上の長期返済計画であれば、金利の低い銀行カードローンを選んだ方がお得に利用可能になります。
即日融資が希望なら消費者金融を選ぶ
審査時間が短く即日融資が可能なカードローンは「消費者金融」「信販系カードローン」の2つしかありません。
しかし、信販系カードローンは審査時間が長引く傾向にあり、即日融資可能と書いていても当日中に借り入れできなかったという評判が多いです。
消費者金融の中でもプロミスやアコムなどの大手消費者金融は審査も早く、借入方法も種類が多くて遅い時間帯でも即日融資が受けやすくなっています。
即日融資が希望なら消費者金融一択と言えるほどです。
カードローンを利用しているのはどんな人?
カードローンを利用しているのは男性のイメージが強いですが、実際にカードローン利用者はどんな傾向なのでしょうか?
カードローンの利用状況が分かる調査が日本貸金協会や金融庁、全国銀行協会などで行われています。
公表されているデータによって傾向に違いはありますが、最も変わりやすい日本貸金協会が公表している「資金需要者等の現状と動向に関する調査結果報告」(令和元年9月30日)を参考にしてみました。
どんな利用目的でカードローンを利用するのか?
皆さんが気になる、他の人がどんな理由で借り入れする割合が目的別で公表されています。
資金使途 | 割合 |
---|---|
趣味・娯楽費(レジャー、旅行を含む) | 41.7% |
食費 | 17.0% |
外食等の遊興費 | 14.5% |
家賃の支払い | 11.8% |
衣料費 | 10.4% |
自動車の購入費 | 10.1% |
住宅ローン等の返済補填費 | 8.5% |
納税・納付などの支払い | 8.2% |
医療費 | 7.3% |
住宅リフォーム費 | 7.0% |
ギャンブル | 6.6% |
冠婚葬祭費 | 6.3% |
水道・光熱費 | 5.6% |
学校関連費 | 5.5% |
通信費 | 4.6% |
教育関連費 | 3.4% |
予備校等受講費 | 1.7% |
受験費 | 1.5% |
その他 | 2.9% |
カードローンの資金使途(使い道)で多いのが、趣味・娯楽費や遊興費、自動車購入費などの一時的な高額出費への利用が上位に食い込んでいます。
あとは、食費や家賃の支払いなどの慢性的な生活費への利用も多くなっています。
全国銀行協会「銀行カードローンに関する消費者意識調査」の中にある「借入の利用動機」に関するデータでは、生活費への利用が最も多く、慢性的にカードローンを利用していることが分かります。
生活費へのカードローン利用が多い傾向なので、低収入世帯の利用が多いのかJICCの統計を図にしてみました。
低収入ほどカードローン利用が多い感じですが、一度でもカードローンの利用が多い年収帯は「300万円超~500万円以下」です。
年収500万円超の利用は減り、800万円を超える高収入世帯は5%を下回る割合になっています。
しかし、カードローンの定期利用のデータでは、高収入ほど継続的に利用している傾向なので、旅行費や遊興費など一時的に利用するケースが多いようです。