ハテナ

友達にお金を貸したけど、個人間で利息を取っても大丈夫なの?

と疑問に思うことはありませんか?

消費者金融や銀行カードローンなどローン商品でお金を借り入れすると、「利息制限法」で決められている金利で利息が計算されます。

利息制限法の上限金利
  • 10万円未満:年20%
  • 10万円以上~100万円未満:年18%
  • 100万円以上:年15%

消費者金融の一般的な上限金利は、10万円以上の限度額が最低限度額になるケースが多いので、年18%としているところがほとんどです。アイフルの金利は「年3.0%~18.0%」でプロミスの金利は「年4.5%~17.8%」です。

では、個人間の貸し借りで利息を取る場合、利息を計算するための金利はどのように決められるのか解説します。




個人間融資の利息で認めらている上限金利は?

オペレーター

利息を計算するための金利の上限を決めているのは、利息制限法の他に出資法があります。

貸金業を営んでいる業者は、金額に関わらず出資法の上限金利20%と定められており、年20%を超える金利を取ると「懲役5年以下または1000万円以下」の刑事罰になります。

ハテナ

それじゃあ、個人間でも貸金業者と同じ「年20%」が上限金利じゃないの?

オペレーター

同じ出資法でも貸金業者とは違い、個人間融資の上限金利については「年109.5%」と定めています。

出資法の上限金利は、2006年の出資法改正(施行は2010年)に伴って、貸金業者からの貸付は年29.2%から年20.0%まで引き下げられました。

ですが、個人間の借金についての上限金利は、1983年11月以前の「年109.5%」の金利のままになっています。

個人間のお金の貸し借りで利息を取ろうと思う方は少なく、あまり金利について問題になっていないのが理由かもしれません。

補足として、いつの年も「109.5%」というわけではなく、1日あたり「0.3%」となっているため、うるう年である366日の年は、出資法の上限金利は「109.8%」になります。

個人間の借金にも出資法ではなく利息制限法が適用される

解決

利息制限法の上限金利は年20%までだけど、個人間の借金は出資法で年109.5%まで認められているから大丈夫だね

と思ってしまう人は多いはず。

確かに、個人間融資の出資法の上限金利「年109.5%」を超えない金利で計算された利息であれば、刑事罰を受けることはありません。

しかし、貸金業者に適用される利息制限法は個人間融資の場合でも適用されるので、上限金利は年20.0%まで(借入金額10万円まで)です。

ですので、友人に年20.0%を超える金利でお金を貸してしまうと、利息制限法違反になってしまいます。

ハテナ

利息制限法違反になるとどうなるの?

利息制限法には刑事罰はないので罪に問われるようなことはありませんが、個人間融資であっても法定金利以上の利息に関しては返還する必要があります。

今では、法定金利以上の利息でも認められていた「みなし弁済」は、グレーゾーン金利の撤廃で認められないとなりました。

個人間融資でも利息制限法の上限金利を超えないように、気をつけてお金の貸し借りをするようにしましょう。


個人間の借金でも上限金利を超える利息は刑事罰がある

もし、友人に109.5%を超える金利で利息を取ってしまうと、一般人と言っても業者と同じ刑事罰内容になってしまいます。

金銭の貸付けを行う者が、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。

個人の刑事罰内容

5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金

相当重い量刑になっているので、年109.5%を超える契約交わす個人間融資はないはずですが、利息制限法を超える利息を取るケースは少なからずあるようです。

補足として、貸金業で109.5%を超える金利を契約するところがあれば、かなり重罪となります。通常の刑事罰より重く、10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金となります。

個人間の借金でも遅延損害金を請求しても良いの?

どうしても友人が返済日までにお金を返してくれなかったというケースもあるはずです。

個人間融資でも返済の遅延がある場合は、友人や知人など個人に対して遅延損害金を請求しても問題はありません。

しかし、詳細な返済日を決めておく必要があり、遅延損害金を請求するための金利も明確にしておくことが大事です。

あらかじめ返済期日を決めていないのであれば、相手側に相当期間(1~2週間以上)を定めて返済をしてもらいます。

返済期日を過ぎても返済されない場合は遅延損害金を請求しますが、金利を決めていないのであれば「年5%まで」、金利を事前に決めるのであれば「上限金利の1.46倍まで」が認められています。


個人間の借金はルール作りが重要

消費者金融でカードローンを利用すれば、契約書などが郵送されたりして、お金の貸し借りが明確に取り決められています。

しかし、個人間でもし借金する場合に、友人だからと言って口約束で曖昧にする場合が多く、その後に大変なトラブルになりやすいです。

知人に2万円借りて「10日後に3万円返して」と言われ、返済出来ない額ではないので返済する事も多いでしょう。

知人も知らなけば本人も分かっていないでしょうが、10日で5割増えていますので、闇金業者のなどがよくされる「トゴ」と言われるトイチよりすごい金利の事です。では1,800%ほどになり、これはすごい金利になってしまいます。

個人でも「借用書」を書くルール作りが重要になります。

個人間の借金でも時効がある

あいつに数年前に○万円貸したな〜」と考える方も多いのではないでしょうか?

そもそも個人間で貸したお金は、いつまで待っても返してくれるのか気になりますよね。「時効」というものがなければ返してほしいと思う方も多いはずです。

しかし、個人間の貸し借りであろうと、金融機関や貸金業者から借りたお金の返済には、時効というものがあります。

借金の時効
  • 個人間:10年
  • 金融業者:5年

個人間の借金の時効期間は金融機関より長い「10年」と決められています。意外と長い時効期間が設けられているので、お金を貸してから数年であれば返して欲しいと要求すれば大丈夫です。

しかし、借りた側の個人の方は、そのまま借金を放置していても意味がなく、貸した側へ「借金の時効が過ぎましたよ」という意思表示の行為をしなければいけません。これを「時効の援用」と言います。

時効消滅の意思表示をすることにより、初めて時効が適用されるようになっているので、相手から逃げ回っているだけで時間を待つのは意味がありません。

時効を中断することも出来る3つの方法

お金を貸した側の個人の方が、長年返してもらってないから、もう借金は戻ってこないと思うかもしれませんが、意外にも時効が中断している可能性もあります。これを「消滅時効の中断」と言います。

3つの中断事由
  1. 債務の承認
  2. 請求(裁判上、裁判外)
  3. 差し押え・仮処分

上の3つの方法で時効の中断が出来ます。

借り手側としては時効が中断されることはイヤですが、貸してる側としては時効が中断されることはありがたいことです。ここで「時効の中断」というのは、時効が止まるという意味ではなく、時効が元に戻る「リセット」という意味になります。

1.債務の承認

1番時効の中断として行われるのが「債務の承認」ですが、一度聞いただけではどういった意味なのか分からない方も多いと思います。

簡単に言うと「債務者が返済」をしてしまうことです。いわゆる、「私は借金をしていることを認めました」という意味になります。

返済は金額の大小は関係なく、少しでも相手側に返済をしてしまうと、借金をしているからという明確な債務承認となるからです。

あと、返済はしていなくても、相手側に返済を遅らせて欲しいという意思表示をしてしまうと、これも借金をしている承認となり、時効中断になってしまいます。

2.請求

裁判上の請求というものがあり、債権者が裁判所に返済をしてもらうための訴状を提出して「訴訟」を起こすことです。

訴状を提出した時点から時効の中断が行われ、裁判中もずっと中断されていることになります。次に時効が始まるのは、判決が決まった時からとなっています。

裁判上の請求とは違い、裁判外の請求と言うものがあり「催告」と言います。催告の方法は別に決まりはありませんが、債務者に対して返済を履行してもらうように通知をします。口頭で支払いを命じても催告になりますが、口頭では後々揉める要因になります。

しかし、催告だけをしても時効中断が行われるわけではなく、催告をしてから6ヶ月以内に「裁判上の請求」「支払督促の申立」「差し押さえ」などをしなければいけません。催告だけでは時効時間を先延ばしするだけと言えます。

3.差し押さえ・仮差押と仮処分

差し押さえなどの言葉は、ドラマなどで聞かれた経験があるかもしれませんが、債務者の財産が勝手に処分されないように確保してしまう手段になります。それ以外にも、財産を隠される前に財産の転売などを禁止する「仮差押」「仮処分」となります。

個人間の借金はしない~金融機関で借りるのが正解

友人や親の間で借金をしてしまうと、金利や返済の滞りなどで関係が崩れてしまう可能性が非常に高いです。

利息を20%まで取ることが出来ても、なかなか請求するのは勇気が必要です。貸したお金は友人であろうと返ってこないという気持ちで借金をする気持ちが必要です。

個人間で借りるよりも消費者金融や銀行で借りるように考えましょう。