カードローンやキャッシングを利用することをあまり良いことだと思わない方も多く、何か怖いイメージを抱かれている方もいるはずです。
その理由として、昔のドラマや映画などの金融関係を題材にしたものでは、自宅や職場まで貸金業者が取り立てにくる場面などを、見たことがあるからではないでしょうか。

昔には実際にあのような取り立て行為を行っている貸金業者もありましたが、現在の貸金業者として登録しているところでは、あのような取り立て行為を行うことはなく、取り立て行為自体が法律によって決められており、どのような取り立て行為を行って良いのか悪いのかがあります。
ですので、あまり貸金業者を怖がる必要もないと言えます。

貸金業法で取り立てが禁止されている行為

  • 1.正当な理由がないのに、社会通念上、不適当と認められる時間帯に、債務者に電話をかけたりFAXを送信したり、または債務者宅に訪問する行為
  • 2.債務者が弁済や連絡する、若しくは連絡を受ける時期を申し出た場合に、正当な理由がないのに不適当な時間帯に、電話をかけたりFAXを送信したり、または債務者宅に訪問する行為
  • 3.正当な理由がないのに、債務者の勤務先や
    自宅以外に、電話をかけたりFAXを送信や電報をしたり、または訪問する行為
  • 4.債務者の居住宅や勤務先や、それ以外の債務者を訪問した場所で、債務者からその場から退去するように意思表示されたにも関わらず、退去しない行為
  • 5.張り紙や立て看板などあらゆる手段で、債務者の借入や私生活に関する事実を、債務者以外に明かす行為
  • 6.債務者に対して、債務者以外の者から金銭の借入れその他これに類する方法により貸付けの契約に基づく債務の弁済資金を調達することを要求する行為
  • 7.債務者以外の者に対して、債務者に代わって弁済するように要求する行為
  • 8.債務者以外の者が、債務者の住所や連絡先を教えることや取り立ての協力を拒否しているのにも関わらず、さらに債務の取り立ての協力を要求する行為
  • 9.債務者が貸付の契約に基づく債務に係る債務の処理を、弁護士や司法書士などの委託していたり、または裁判所で民事事件の手続きをし、弁護士や裁判所などから書面の通知があった場合に、正当な理由がないのに、電話やFAX、債務者宅への訪問などの方法で、債務の弁済を要求する行為
  • 6を除く、1~9のいずれかの該当する言動を
    することを告げる行為

参照:貸金業法21条

社会通念上の不適当な時間帯というのは、「午後9時~午前8時」の時間帯の事を言っており、生活していく中で夜から朝にかけての就寝時間あたりの事を言います。

不当な理由というのはなに?

多くの項目で「不当な理由がない」という文言が見られますが、全ての項目で同じ不当な理由であるとは言えません。
項目によって不当な理由は変わってきます。

1での不当な理由

1の項目では、不適当な時間帯での行為が禁止されていますので、債務者がその時間帯での連絡の承諾がされていたり、そもそもそのような手段で連絡する方法がないなどが、不当な理由に挙げられます。

2の不当な理由

  • 債務者の弁済や連絡の時期の申し出がない
  • 弁済する時期や連絡する時期の申し出があったが、その期日になっても履行されない
  • 申し出の内容自体が、著しく逸脱している

返済についてのそもそもの連絡が無いなど、非常識ともとれる債務者の行為があると不当な理由として認められます。
さらに、連絡してきたことも良いかもしれませんが、実際には返済が行われないなども同様です。
カードローンなどの貸付の契約には、毎月の返済が行われる契約になっていますが、返済の遅れを翌月にまとめて支払うなどは、通常の理由ですが、数ヶ月先や年単位で先送りなどの、通常では考えられない申し出は、もちろんですが不当な理由になります。

3の不当な理由

3の項目では、1の項目と同様のことが挙げられます。
それに加えて、債務者が登録してあった電話番号や住所などから変更があったときなど、連絡が完全に出来なくなった場合に、第三者への弁済の要求ではなくて連絡先の確認を行う場合には認められています。

9の不当な理由

弁護士や司法書士に債務の返済の依頼をした場合には、債権者が債務者の対して連絡する事は出来なくなります。
しかし、その弁護士などから連絡しても良いという承諾を得ているのであれば、もちろんですが連絡しても良いという判断になります。

取り立ての書面の項目

債務者の返済が遅れることがあると、債権者は督促状を送ることになりますが、その督促状に記載しなければいけない項目も、貸金業法21条で定められています。

  • 貸金業者の商号や名称または氏名、住所並び電話番号
  • 書面や電磁的記録を送付する者の氏名
  • 契約年月日
  • 貸付金額
  • 貸付利率
  • 支払いの催告に係る債務の弁済期
  • 支払いを催告する金額
  • 支払いを催告する金額の内容(元本や利息、及び債務不履行による賠償金など)
  • 支払いに催告する時における債務にかから
    残存債務の額

書面に記載する時には、文字の大きさは8ポイント以上と決められています。

返済が数日遅れると督促状がくるわけではなく、まずは貸金業者から返済の遅れがあるとの電話連絡があるはずです。
私も返済をうっかり忘れていた時があり、銀行の担当者から連絡があり助かりました。

督促状が送られてくるのは、返済が3ヶ月ほど遅れる場合が多いです。
このまま返済せずにしておくと、信用情報機関に長期の返済の遅れと異動情報として記載され、債権回収の代行業者からの取り立てになったり、最終的には裁判での給料差し押さえという流れになってしまいます。

昔のように、怖い取り立てはありませんが、借りたお金は必ず返さなければいけませんので、借り入れたお金の回収はされます。
多くの金額を借り入れると、返済能力を上回ってしまうことになり、最終的には自分が苦しくなるだけですので、懐事情にあった借り入れに抑えましょう。