大きな違い~カードローンとクレジットカードを比較

カードローンとクレジットカードの違いを理解し2枚持ちされて、上手に使い分けている人も多くいます。

ですが、それぞれの違いを理解せずに利用されている人も多く、「審査に通りやすそうだからクレジットカードを申し込んだ」という人もいます。

しかし、メインに使う機能に違いがあり、カードローンはキャッシングする借り入れのみで、クレジットカードは買い物するショッピング機能キャッシングする借り入れの両方が付いています。

カードローンとクレジットカードの利用方法の違いを理解し、お得に利用できるのはどっちなのか紹介していきます。

カードローンとクレジットカードの明確な違いは3つ

クレジットカードとカードローンの違いは次に挙げる3つの大きな違いがあります。

主な違い
  • 発行会社
  • 適用される法律
  • 立て替えと融資

発行会社が違っている

カードローンといえば「消費者金融」や「銀行」などの金融機関が発行しているカードで、クレジットカードは「セゾン」や「オリコ」や「三井住友カード」など、「信販系」「流通系」「通信系」「交通系」などのクレジット会社が発行しているカードです。

発行会社の違い
カード業者
カードローン
  • プロミス
  • アコム
  • アイフル
  • SMBCモビット
  • 三井住友銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • みずほ銀行
クレジットカード
  • セゾン
  • オリコ
  • オリックス・クレジット
  • セブンカード
  • イオンカード
  • 楽天カード
  • ヤフーカード
  • ANAカード
  • JALカード
  • JREカード
  • ビューカード
  • 東京メトロ

カードローンとクレジットカードの主な発行元の会社に違いはありますが、信販系が発行しているカードローンもあり、銀行系のクレジットカードをあり双方で幅広く取り扱われています。

大手消費者金融のアコムが「ACマスターカード」というクレジットカードを発行していますが、アコム以外の消費者金融ではクレジットカードは存在しません。

クレジットカードには発行会社と国際ブランドの違いがある

クレジットカードの発行会社を聞かれて「VISA」や「JCB」と答えた人はいませんか?私は実際に答えた経験があります。

発行会社は前項目で紹介した楽天カードやセゾンカードなどが有名で、VISAやJCBなどは「国際ブランド」で発行会社とは違います。

VISA

国際ブランド「VISA」

JCB

国際ブランド「JCB」

Mastercard

国際ブランド「Mastercard」

上の画像の赤枠で囲ったのが国際ブランドが表示されている部分で、必ず表面に表示されています。発行会社は裏面で記載されているので、問い合わせする場合は裏面の発行会社に連絡します。

国際ブランドが違えば使える場所が違いますが、クレジットカードの特典や保証サービスは発行会社が行っています。なので、同じ国際ブランドJCBでも楽天カードとヤフーカードでは特典が全く異なります。

極端な例として、ヤフーカードを使っても楽天カードのポイントが付かない点です。

適用される法律が全く違う

現金をそのまま貸し出すカードローンには「貸金業法」が適用され、商品を購入する代金を立て替えて後から代金を支払ってもらうクレジットカードには「割賦販売法」が適用されます。

割賦かっぷの意味は「回数を分けて支払う」という意味になっているので、クレジットカードの支払い回数は「2回、3回」「ボーナス払い」など様々あります。

翌月1回払いは割賦販売法適用外

クレジットカードの支払い回数には翌月1回払いも選択できますが、割賦販売法の適用範囲は「2ヶ月以上かつ3回払い以上」なので、翌月1回払いは適用範囲ではありません。
しかし、ボーナス1回払いなどは2ヶ月以上の後払いになるので、割賦販売法が適用されます。

貸金業法と割賦販売法には上限金額がある

貸金業法には過剰融資を防止のため、年収の3分の1までかし貸付できない「総量規制」という決まりがあり、貸金業者は3分の1を超えるような貸付をしてしまうと罰則を受けることになります。

クレジットカードのキャッシング枠は、融資なので貸金業法が適用され総量規制の対象になりますが、割賦販売法は総量規制という規則はないので、クレジットカードのショッピング枠の上限には決まりはありません。

しかし、クレジットカードのショッピング枠の上限はいくらでも良いわけではなく、「支払可能見込額の9割以下」が利用可能額の上限になっています。

支払可能見込額の計算方法は次の3つの項目を引き算すると算出されるようになっています。

支払可能見込額の計算式

支払可能見込額=「年収」-「年間請求予定額」-「生活維持費」

ハテナ

生活維持費って家庭で変わるけど、どうやって決めてるの?


生活維持費は判断しにくい数値ですが、経済産業省令・内閣府令が定めている数値があります。

支払可能見込額調査における生活維持費(経済産業省令
4人世帯3人世帯2人世帯1人世帯
  • 持家かつ住宅ローン無
  • 持家無かつ借賃負担無
200万円169万円136万円90万円
  • 持家かつ住宅ローン有
  • 持家無かつ借賃負担有
240万円209万円177万円116万円

利用可能額の上限の計算方法ですが計算自体は簡単なので、事前に自分でどれぐらいの利用可能額が契約できるか計算すると分かりやすいです。

例えば、年収400万円の人が消費者金融で契約可能な上限金額は、年収の3分の1なので130万円になります。

同じ年収400万円の人が3人家族でクレジットカードを申し込むと「400万円-48万円-209万円=143万円」、143万円が支払可能見込額となり0.9をかけると「128万円」になります。

総量規制とショッピング枠の上限金額はそれほど変わらない金額になりますが、どちらも申込条件や返済能力によって契約できる金額はさらに下がるので、上限ギリギリの金額を契約することはまずありません。

利用目的が融資と立て替えで違う

カードローンはお金を貸してくれる融資機能のみで、カードローンで商品を直接購入することはできません。一方のクレジットカードのショッピング枠は商品を直接購入できる機能で、購入時点では代金を支払う必要がなく立て替えてくれる機能になっています。

ですので、同じ商品が欲しい時でもカードローンとクレジットカードを利用する方法に違いがあります。

クレジットカードで商品を購入する流れ
  1. 買い物先でクレジットカードを出す
  2. その場で支払い完了
  3. 締め日以降にクレジットカード会社へ代金を支払う
カードローンで商品を購入する流れ
  1. 欲しい商品があるが購入できない
  2. ローンカードで提携ATMで購入資金を調達
  3. 調達した資金で直接商品を購入
  4. 返済はリボ払いが基本

2つの商品を購入する流れを見ても、クレジットカードの方が非常に簡単に商品を購入することが可能になっています。

立て替え代金の支払い完了まで商品は担保にされる

カードローンは借りた現金で商品を購入するので、購入物の所有権は購入者にあります。

しかし、クレジットカードで商品を購入し立て替えてもらった場合、購入費用の支払いがすべて完了するまでクレジット会社の所有物で担保にされています。これを「所有物留保」と言います。

クレジット会社に所有権がある状態では売却や転売を原則禁止されていますが、常識範囲内であれば問題視されることはありません。

クレジットカードの支払いは2ヶ月ほど後になるので「転売に向いている」と紹介しているサイトもありますが、初めから転売目的の利用は横領罪に当たる場合もあるので止めておきましょう。

金利が違う

カードローンは利息を支払い、クレジットカードは手数料を支払いますが、どちらも金利から計算されます。しかし、カードローンもクレジットカードも金利を比較すると差があり、同じ金額の商品を購入しても利息と手数料に違いが生まれます。

クレジットカードの「分割・リボ払い・キャッシング」の金利
カード分割払いリボ払いキャッシング
三井住友VISAカード年12.00%~14.75%年15.0%年18.0%
楽天カード年12.25%~15.0%年15.0%年18.0%
イオンカード年10.05%~12.04%年15.0%年7.8%~18.0%
消費者金融の金利
消費者金融金利
プロミス年4.5%~17.8%
アコム年3.0%~18.0%
アイフル年3.0%~18.0%
銀行カードローンの金利
銀行金利
三井住友銀行年4.0%~14.5%
みずほ銀行年2.0%~14.0%
住信SBIネット銀行年1.59%~14.79%
auじぶん銀行年1.48%~17.5%

金利には幅がありますが、ほとんどのカードローンは上限金利が適用されるので、次の金利を目安に考えた方が良いです。

分割払いは2回払いまでやボーナス払いは手数料は必要ありませんが、分割回数が増えると金利が高くなり手数料が増えます。あと、リボ払いで支払うと金利は15.0%や18.0%の固定金利が一般的です。

金利の違いで比較すると、商品購入で分割払いやリボ払いが利用できるのであれば、クレジットカードを利用した方がお得になる可能性が高いです。

クレジットカードとカードローン審査の違いは?厳しい審査はどっち?

現金を融資されるカードローンと代金を立て替えてくれるクレジットカードですが、どちらも審査を行い通過しなければ契約できません。

利用目的が違うカードローンとクレジットカードですが、審査項目や審査基準に違いはあるのでしょうか?

審査項目は一緒~審査基準はカードローンの方が厳しい

カードローンもクレジットカードもお金を返済してもらう必要があるので、審査される項目に違いはなく審査は厳しいです。

審査で重要視される点
  • 返済能力
  • 信用情報

安定した収入があり返済能力が十分あることが証明できて、過去の信用情報にもキズが無ければ、両者の審査に通る可能性は非常に高いです。

しかしクレジットカードの場合は、立て替え代金の支払い完了までは担保としてカード会社に所有権があるので、万が一の時にはカード会社の物になります。

一方、カードローンは個人向け無担保融資なので、契約者からの担保はなく貸し倒れリスクは高く、利用目的がかなり広く使われるので審査が厳しいです。

ですので、クレジットカードの方が審査基準は低く、カードローンは審査基準が高い理由になります。

クレジットカードにキャッシング枠を付けると審査は厳しくなる

クレジットカードでもお金を借りることが可能になる「キャッシング機能」ですが、キャッシング機能を付けるとカードローンと同じ融資の審査になるので、審査は厳しくカードローンと同等の審査基準になると考えてください。

買い物目的だけでクレジットカードを利用するのであれば、厳しい審査を受ける必要もないので、意味のないキャッシング機能をつけて審査に落とされると、クレジットカードも利用できません。

十分に考えてから、申し込むようにしましょう。

クレジットカードとカードローンのどっちがお得になる?

カードローンとクレジットカードのどちらがお得に利用できるか比較する場合は、「金利」を比較すると手数料や利息が違ってくるので損得がす具に分かります。

金利の違いを比較した項目でもクレジットカードが一番低い金利になっているので、本当にクレジットカードがお得なのか計算します。

利息の計算方式は次の内容で分かるようになっています。

カードローンの利息の計算

借入残高×(金利÷100)×利用日数÷365日=利息

しかし、同じようにクレジットカードの実質年率で計算しても手数料と金額が違ってきますが、クレジットカードには手数料の早見表が必ず公式サイトに書かれています。

楽天カードの分割払い手数料
支払い回数実質年率100円あたりの手数料
3回12.25%2.04円
5回13.50%3.40円
6回13.75%4.08円
10回14.50%6.80円
12回14.75%8.16円
15回15.0%10.20円
18回15.0%12.24円
20回15.0%13.60円
24回15.0%16.32円
30回15.0%20.40円
36回15.0%24.48円

実質年率から計算するのではなく、クレジットカードには「100円あたりの手数料」や「割賦利率」など分かりやすい手数料の表示があるので参考にしましょう。

では、クレジットカードとカードローンの手数料と利息の違いを比較します。

10万円を10回の分割払いで買い物したクレジットカードと、10ヶ月で完済したカードローンの比較です。

手数料と利息の比較
  • クレジットカード「14.5%」:6,800円の手数料
  • 銀行カードローン「14.0%〜18.0%」:6,523円〜8,429円の利息
  • 消費者金融「18.0%」:8,429円の利息

銀行の中でも低い金利のカードローンを契約できれば、一番低い利息でお得に買い物を出来る可能性があると思いますが、商品を直接購入するのであれば手数料が抑えやすいクレジットカードがお得なのが分かります。

しかし、クレジットカードのキャッシングの金利は「年18.0%」で消費者金融と変わりません。

現金でしか購入できない商品であれば、無利息サービスのある消費者金融や銀行カードローンの方がお得に利用できる可能性が高いです。

カードローンとクレジットカードの同時利用は可能

クレジットカードをすでに持っている人が現金が必要になり、カードローンを申し込んでも審査に通るのは可能なので、両方のカードを同時に利用することができます。

貸金業法と割賦販売法の違いがあるので、総量規制ギリギリの契約をしていてもクレジットカードのキャッシング枠を外して申し込めば、審査に通る可能性があります。

しかし、カードローンとクレジットカードの併用は危険で、毎月の返済額が膨れ上がり多重債務になる可能性が非常に高くなります。

クレジットカードを利用されている人は、カードローンを申し込むよりもキャッシング機能を新たに申し込む方が、利用限度額を低く抑えやすい効果があるのでおすすめです。

カードローンとクレジットカードのメリットで使い分けよう

金利だけを見ればクジレットカードがお得になるかもしれませんが、金利以外にもそれぞれのメリットがあり、利用する場面で利点になるので使い分けることがオススメになります。

現金が必要なら利用目的自由のカードローン

カードローンの最大のメリットになるのが「現金を借りることが出来る」という点です。

クレジットカードでは現金を借りることが出来ないので、商品を購入することしか出来ません。

カードローンでお金を借りれば、商品を購入することはもちろんですが、冠婚葬祭に持っていく祝儀や香典の費用など、クレジットカードが利用できないお店でも買い物が出来るという点です。

利用目的は自由ですので、お金を使う場面ではどこでも活躍できるカードローンで、利便性は非常に高くなっています。

クレジットカードのメリットは非常に多い

クレジットカードのメリットを簡単に書くと、カードローンに無い部分のすべてがメリットであり、特典や優遇される利点が数多くあります。

メリット
  • マイルやカード、ショップに応じたポイントが貯まる
  • 万が一の商品の盗難や破損の補償が出来る
  • 付帯保険があれば病気やケガの補償も可能
  • 海外で現地通貨を調達出来る
  • 海外でクレジットカードで買い物出来る
  • カードのランクでステータスが証明できる

商品を購入することだけに特化しているクレジットカードですが、それに付随する特典は非常に優秀です。

クレジットカードで購入した時に「0.5%〜4%」のカード独自のポイントを貰うことが出来て、次の買い物時に利用することも出来ます。実質的な値引きが可能になります。

その時に購入した商品が、窃盗されたり破損した場合に、保証してくれるサービスがあるクレジットカードもあり、海外でも適用されることが多いです。

カードローンでは、カードを見ただけでランクの違いや限度額は分かりませんが、クレジットカードは「ゴールド」「プラチナ」「ブラック」などのランクがあり、見ただけでその人のステータスの大きさが分かります。

それが海外での証明にもなるので、カードでのサービスも変わってくることになります。

番外:海外利用はクレジットカードの圧勝

海外旅行される方は昔に比べると、かなり多くの方がされるようになりました。特に近場のアジアや格安な飛行機を利用されることも多いです。

旅行先でお金が足りなくなって、しかもクレジットカードが使えないお店などがある場合に、大変便利なのがクレジットカードのキャッシング機能です。

海外のATMを利用して引き出す感覚で、キャッシング出来てしまいます。この機能は消費者金融のカードローンにはありませんので、海外で万が一の事があるとクレジットカードの圧勝となります。