貸金業者でカードローンの申し込みをすると、必ず申込者の審査が行われますが、これは貸金業法によってしっかり定められていることだからです。

貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない。

貸金業法13条「返済能力の調査」

このように定められており、調査もしないで貸し付ける契約をすることは禁止されています。
さらに、調査を行ったにも関わらず、返済能力がないや低い方への貸付も「過剰貸付の禁止」によって決められています。

申込者をどのように調査するのかは、申し込みの際の記入項目だけでは、全てを判断出来る材料には足りませんので、信用情報機関といわれているところにあるデータを利用するようになっています。
これも「返済能力の調査」の項目に、指定信用情報機関の情報を利用するようにと、決められています。
何でも事細かに決められているのですね。

上の3つが指定信用情報機関となっているところです。
貸付業者や金融機関が利用しますので、カードローン以外にも、キャッシングやカーローン、住宅ローンなど様々な場面で利用される情報機関になっています。

信用情報機関への情報提供

消費者金融など貸金業者と申込者が契約できた場合、貸金業者は会員会社として加盟している指定情報機関に対して、契約者の情報を提供するようになっています。
契約者の情報を提供することによって、新たにクレジットカードの申し込みや住宅ローンの申し込みが、貸金業者に行われた場合に、その情報を元に貸付を行っても良いものかの判断材料になります。

  • 氏名、生年月日
  • 住所、電話番号
  • 勤務先の情報
  • 運転免許証番号
  • 契約の種類や契約日や契約金額などの契約情報
  • 入金日や借入残高などの返済状況
  • 返済の遅延などの有無

このような項目が、貸金業者から提供されていく内容になります。

すべての項目の確認が重要となるはずですが、貸付契約の内容や返済の遅延が今までにあったのかなどが、貸金業者としては重要な項目になってくるはずです。

特に、今までに返済の遅延や債務整理などをしてしまったことがある方は、新たに貸金業者と貸付の契約を結ぶことは難しくなります。
難しいというのは優しい言い方で、実際には審査に通ることは出来ないと思ってもらう方がいいです。
長期遅延や債務整理を行ってしまうと、最長で5年~10年はそういった「異動情報」は記載されたままになっています。
一度きりであっても、その情報を期間内に消すことは出来ません。

信用情報は勝手に提供や参照されない

信用情報はとても大事な個人情報です。
その内容を指定と言えども、勝手に情報を提供されている訳ではありません。

まず申し込みを行う時には、「あなたの信用情報を指定機関から提供させて頂いても良いですか?」という内容の同意を貰わなければいけないようになっています。
これは、最初にも書きました「返済能力の調査」をしなければいけないため、仕方ないことです。
これの同意をしないと、貸付の契約は出来ません。

無事に契約段階に入ると、次は「今回の情報を指定情報機関に提供してもよろしいですか?」という同意が必要になります。
そのほかにも、「他の指定情報機関と共有しても良いのか」、「他の加盟している貸金業者からの依頼があれば提供しても良いか?」という同意もあります。

このように、申込者から契約者へとなり、新たな申込者へとなるサイクルで、信用情報が共有されるようになっています。
ですので、金融事故をしてしまったから、他の貸金業者で申し込めば良いと思っても、しっかり他の貸金業者も信用情報を見ていますので、誤魔化すことは出来ないようになっています。

返済能力があることを証明する書類

貸金業法には「総量規制」という年収の3分の1を超える貸付は出来ないと、第13条の2によって定められています。
さらに、何度も出てきます「返済能力の調査」や13条の3に定められている、50万円を超える極度額や複数社合計で100万円を超える貸付には、現在の収入に関する書類の提出が必要になっています。

  • 源泉徴収票
  • 納税通知書
  • 納税証明書
  • 確定申告書
  • 直近複数月の給与明細書

他にもありますが、代表的な収入証明書となる書類になります。
この書類によって、返済能力があるのか、総量規制を超えていないかの判断が出来ます。

みずほ銀行カードローンなどは、貸金業法ではなく銀行法になるため、収入証明書の提出の限度額に決まりはありませんが、現在は50万円超になると収入証明書を提出します。

収入証明書の提出は、最初の審査だけの提出と思っている方も多いですが、限度額の増枠の時の再審査の時も、現在の収入を証明しなければならなくなるので、提出する必要があります。